Concepts — 私たちが「やらない」こと
ホワイトタイガースが「やらない」、
9 つのこと。
全力で楽しみ、最高の自分を目指し続ける ──
そのために、やらないと決めていることがあります。
何をやらないかを見ると、そのチームが何を大事にしているかがわかります。
ここに挙げたことの多くは、 国際バスケットボール連盟(FIBA)のコーチ協会も「やってはいけない」として挙げているものです。該当する項目には、その資料へのリンクを付けました。どれも公開されているので、直接お読みいただけます。
いっぽうで、裏づけのないものもあります。それは「私たちが選んだこと」と書きました。裏づけがないのに、あるように見せたくないからです。
資料の限界も、わかる範囲で書き添えています。
-
01
言われた通りにしか動けない選手は育てません
なぜ: バスケットボールの試合中、状況は秒単位で変わります。コーチの指示を待ってから動く選手は、その変化に間に合いません。
代わりに: スペーシング、ポジショニング、チャンスの生かし方といった原理原則を教え、その場の状況を見て自分で判断できるようにします。コーチが示すのは「何を目指すか」まで。「どうやるか」は選手が自分で探します。
国際的な裏づけ: 「いつも子どもに何をするか指示してはいけない。自分でプレーの仕方を発見できるよう、問いかけること」(Don't dictate)
この資料はミニバスケットボール(年少層)向けです。私たちは同じ原則を中学生まで延長して採っています。
-
02
怒鳴る指導はしません
なぜ: 怒鳴られた選手は、コーチの顔色を見てプレーを選ぶようになります。自分で判断できる選手を育てたいのに、それでは逆効果です。
代わりに: 何が起きたか、どうすれば良くなるかを、選手と一緒に言葉にして考えます。
国際的な裏づけ: 「審判への敬意と、勝敗どちらもスポーツマンシップをもって受けとめることを教える。良い振る舞いはコーチから始まる」(Teach respect)
この資料は「怒鳴ってはいけない」と直接書いているわけではありません。コーチ自身が振る舞いの手本になる、という原則を私たちはこう解釈しています。
-
03
失敗を責めません
なぜ: 失敗を責められると、選手は失敗を隠すようになります。隠された失敗からは、本人もチームも学べません。
代わりに: 挑戦したうえでの失敗は、次にどうするかを考える材料として一緒に振り返ります。失敗しても大丈夫だと思えるから、選手は自分で判断して動けます。
これには研究や国際的なガイドラインの裏づけはありません。 私たちが選んだことです。
-
04
「勝利だけ」を追いません
なぜ: 目の前の試合に勝つためだけの戦い方で勝っても、選手の力は伸びないと考えているからです。
代わりに: 勝ちにはこだわります。目指しているのは、選手が原理原則を理解し、自分で判断して勝つことです。挑戦した結果の負けは、次につながる材料として受けとめます。
国際的な裏づけ: 「勝つためだけの指導をしてはいけない」(Don't coach only to win)
この資料はミニバスケットボール(年少層)向けです。私たちは同じ原則を中学生まで延長して採っています。
-
05
特定の選手だけに頼るチーム作りはしません
なぜ: エースの力だけで勝つチームは、その選手がいなくなると勝てなくなります。エース本人にとっても、ほかの選手にとっても、いいことがありません。
代わりに: 5人全員が原理原則をもとに判断し、連係して相手を崩すバスケットボールを目指します。出場機会も、そのときの状況を見ながら全員で分け合います。
国際的な裏づけ: 「上手い選手だけを使ってはいけない。出場時間は均等に与え、全員がペリメーターとポストの両方を経験できるようにすること」(Don't coach only to win)
この資料はミニバスケットボール(年少層)向けです。私たちは同じ原則を中学生まで延長して採っています。
-
06
学業を後回しにする選手は育てません
なぜ: 学業で身につく読解力・思考力・続ける力は、コートの上で自分で判断する力にもつながります。「バスケのため」と言って勉強を後回しにする習慣は、プレーにも悪い影響が出ると考えています。
代わりに: 定期テスト前に練習を減らすこと、学業を優先することは、当然のこととして受け入れます。学業もバスケットボールも、どちらも大事にします。
これには研究や国際的なガイドラインの裏づけはありません。 私たちが選んだことです。
-
07
「バスケしかしない子」を理想としません
なぜ: バスケットボールだけの毎日だと、バスケットボールから離れたときに、ほかによりどころがなくなってしまいます。コートの外でのいろいろな経験は、プレーの判断にも生きてきます。
代わりに: 学業、家族との時間、ほかの遊びやスポーツとの両立を歓迎します。
国際的な裏づけ: 「バスケットボールだけをやらせてはいけない。多様で楽しいアクティビティを使ってさまざまなスキルを伸ばすこと」(Don't just play basketball)/NBA・USA Basketball は「14歳より前にバスケットボールに専門化することは推奨しない」としています。
ただし、ジュニア年代の短期的な勝ちやすさだけを見れば、早く1つに絞ったほうが有利だという研究もあります。私たちは長い目で見て多様さを選んでいます。
-
08
長すぎる練習はしません
なぜ: 練習は、長いほど上手くなるわけではありません。集中が切れたまま繰り返すと、悪い癖と疲れだけが残ります。それに、練習が長すぎると、選手がほかの経験をする時間がなくなります。
代わりに: 練習は集中できる長さにとどめます。それ以外の時間は、学業、家族との時間、休息、ほかの遊びに使ってください。
国際的な裏づけ: NBA・USA Basketball は「週に最低1日は組織的なバスケットボールから離れて休むこと」「短期間に試合を詰め込む日程はケガと燃え尽きのリスクを高める」としています。
これはケガを防ぐための上限の目安であって、「これだけやれば上手くなる」という下限ではありません。国際的なガイドラインに、上達のための下限は定められていません。
-
09
保護者当番を課しません
なぜ: 保護者の方の時間は、まずご家庭とお仕事のためのものだと考えているからです。保護者の負担を前提にした運営は、入会のハードルになり、続けるうえでも負担になります。
代わりに: 運営に必要なことは、コーチ・代表が担当します。応援やお手伝いは「したい方が、できる範囲で」お願いしています。
これには研究や国際的なガイドラインの裏づけはありません。 私たちが選んだことです。
おわりに
やらないことを並べましたが、裏返せば、私たちが大事にしていることでもあります。
- コートの外でも役に立つ力を、バスケットボールを通じて育てる
- 子どもが自分で考えて決めることを、コーチや大人の都合で曲げない
- 勝ちにはこだわるが、勝ち方にもこだわる
この考えに共感してくださる方と一緒に、宮代ホワイトタイガースを続けていきたいと思っています。